斉藤和巳が背番号を66のまま変へぬよし 首席にねびし背番号「66」の後ろ姿を天国より見守れる人あり。 00年如月にかくれし斉藤の妻・由美の祖父、松尾勇(享年80歳)なり。 葬儀の際に、勇に着せてやりしが背番号「66」のユニホーム。斉藤は、今もそのことを忘れたらず。 「これに背番号を変へせば、さだめてじいも分からざらめば」 その年のオフ、玄人5年目の初勝利に止めし斉藤は、背番号の改めを球団より打診されき。 さりとて、勇への思ひもありてかたくなにいなびきといふ。 「お盆には報告に行かむかなと思へるなり」と由美夫人。 球宴に出でし投手に「66」は最も大きなる番号。 今、斉藤の背番号は手通りの首席の世名詞となりき。